海の人気者、イルカ。水族館で見たことのある方は多いと思いますが、野生のイルカを見たことはあるでしょうか?
静岡県清水港
野生のイルカに会うといえば、伊豆諸島や小笠原諸島などのドルフィンスイム、天草や銚子などのイルカウォッチングクルーズなどが有名だと思います。
都市に近い海辺にイルカがやってくることも珍しくありませんが、ここ静岡県の清水ではおよそ2年前からなんと港にイルカが住み着いており、遊覧船のクルーズや水上バスでほぼ毎日のように姿を見かけるそうです。
住み着いているのは6頭ほどのミナミバンドウイルカ。清水港のように大型の船が行きかうような場所に住み着くのは全国的にも非常に珍しいことだそうです。
今回のツアーで筆者が見たイルカ
清水港では「富士山清水港クルーズ株式会社」が遊覧船や水上バスを運航しており、これらの航路でも、運が良ければイルカの姿を見ることが出来ますが、この度イルカたちの姿を見るためのクルーズ、「イルカウォッチングクルーズツアー」が同社で土日に開催されるようになりました。
このクルーズでは港にいるイルカを探すため所要時間は1時間ほどで、他所の遠方に出るクルーズよりも手軽に参加できるのも特徴だと思います。
今回はそんな清水港のイルカウォッチングクルーズツアーに参加した時の様子を見どころとともにお伝えしようと思います。
イルカや海の生き物が好きな方、静岡旅行をお考えの方、清水港のイルカウォッチングクルーズツアーはいかがでしょうか。
- イルカウォッチングクルーズツアー概要
- 遊覧船&水上バスのりばへ!&チケット受け取り
- 待合室の様子
- 船内はあたたかみのある内装
- スタッフによる清水港のガイド&イルカの生態の解説
- カモメに餌やり(11月~3月頃まで・冬季限定)
- イルカ発見!見逃し厳禁
- アクセス
- 周辺観光スポット・オススメランチなど
- おわりに
イルカウォッチングクルーズツアー概要
・催行
富士山清水港クルーズ株式会社
・開催日
土曜日16:00~、日曜日10:00~ それぞれおよそ月3~4回ほど不定期に開かれます。
開催日は公式WEBサイトに掲載されます。
・クルーズ航路
イルカの目撃情報が多いコースでの運航。
・所要時間
約60分
イルカを探すため、通常の清水港遊覧クルーズより長めになっています。
・参加費
大人:1600円 小学生:800円 未就学児:大人1名につき1名無料
障がい者料金:大人800円 小児400円
・支払方法
催行日当日に現金で支払い
・申し込み方法
WEBより事前予約(開催日前日正午まで)、空きがあれば当日窓口にて申し込みも可○
いずれの申し込み方法でも当日開催時刻までに窓口でチケットを受け取ります。
券売機がありますが、イルカウォッチングツアーは窓口で直接申し込みます。
・当日の窓口での受付開始時間
9:30~
イルカは高確率で見ることが出来、開催以来、ほぼ毎回のツアーでイルカを見ることが出来ています。
万が一イルカに会えなかった場合、再チャレンジしてほしいとの思いから、「定期遊覧船乗船券」を一回分プレゼントしてもらえるそうです。(※毎日運航している定期便対象で、土日のイルカウォッチングクルーズツアーとは異なるようです)
遊覧船&水上バスのりばへ!&チケット受け取り
清水港には遊覧船や水上バスの乗り場がいくつかありますが、イルカウォッチングクルーズツアーの受付と乗り場は日の出のりばになります。
入口に最新イルカ目撃情報が掲載されています。
手前に泊まっているのが、今回のツアーで乗る船、ベイプロムナード号。外観はスッキリしていますが、中はあたたかみのある、おしゃれな内装となっています。日によってはこれよりも小型の船でのクルーズとなるようです。(小型船の場合お手洗いが船内に無いのでご注意!)
乗り場から歩いてきたところを振り返ると、近隣の商業施設のエスパルスドリームプラザの観覧車がそれほど遠くないところにあります。
のりばの窓口でチケットを受け取ると、イルカ目撃マップももらえました。出航10分前に船の前に来るよう言われます。
待合室の様子
きっぷ売り場の建物が待合室を兼ねています。イスやソファ、机とテレビが置いてあります。
ホワイトボードにクルーさんたちの紹介や、イルカ目撃マップの大きいものが貼ってあります。
きっぷ売り場の窓口で紙製の折り畳み式オペラグラスが1つ500円で売られています。切符を買うときに一緒に購入するのも良いでしょう。色はブルーの迷彩とグリーンの迷彩の2種類があります。
手で押して広げるとこんな感じになります。
きっぷ売り場の建物の海側の外観です。こちらにも自販機があります。
海賊の顔ハメパネルがあります。ゴールデンウィークなどにイベントで海賊船の運航があるようです。
船内はあたたかみのある内装
乗船の時間になりました。船に乗り込みましょう。皆さん2階席へ階段で上がっていきます。
2階席
こちらが2階席。写真は船内前方の様子です。広々とした机をはさむよう向き合ったシートが並んでいます。
このイルカウォッチングツアーでは出港中、2階席かこの上のオープンデッキに乗客の皆さんがいらっしゃいました。スタッフの方もこのフロアでお話をしてくださります。
ちなみにトイレも船内にあります。
机にはコンロのようなものが。イベントクルーズで使うのでしょうか。
とてもおしゃれな照明です。
船内後方には、こちらの椅子のようなタイプの席もあります。
1階席
こちらが1階席。今回のイルカウォッチングツアーではあまり使われませんでしたが、クルーズの内容によっては2階席が満員になるのかもしれません。
海面に目線が近いです。
屋上デッキ
こちらが屋上デッキからの眺め。2階から階段で上がってくることが出来ます。カモメへのエサやりやイルカの観察は皆さんこのデッキでしていました。
デッキには腰かけることのできるベンチが2列設置してあります。風が強いので帽子等の持ち物が飛ばされないように注意!
船内売店・イルカぬいぐるみくじ
売店が船内2階後方にあります。
座席のシートごとに売店メニューが貼ってあります。
売店ではコーヒー、ソフトドリンク、ご当地サイダーやお菓子などを販売しています。夕方のイベントクルーズ向けに、アルコールの販売などもあるようです。
また、冬季には一袋100円でカモメにあげる餌を購入することができます。(後述)
売店ではぬいぐるみくじもやっています。
1回1000円でイルカのぬいぐるみが必ず当たります。出た等数によってもらえるぬいぐるみの大きさが決まります。
カウンターに並べられているサンプルのぬいぐるみ。アゴやお腹を乗せているポーズがまた楽しげ。
くじを引くと、スタッフの方が1階の在庫室みたいな所から1頭連れてきてくれます。
お迎えしたイルカ。ふわふわしています。左のヒレを押すと鳴きます。
2階の席の窓辺にて。
スタッフによる清水港のガイド&イルカの生態の解説
船から見たエスパルスドリームプラザ
出港すると、まもなくスタッフの方が清水港の景色の案内などをしてくれます。イルカウォッチングツアーではイルカに関する生態などのお話も、クイズを交えてしてくださりました。
イルカが現れたらガイドの方が教えてくださるそうですが、「お客様が先に見つけたら教えてください」とのことです。
カモメに餌やり(11月~3月頃まで・冬季限定)
渡り鳥のカモメたちがやってくる冬季限定(11月~3月末頃)でクルーズ中、船の周りに飛んで寄ってくるカモメたちにえさをあげることができます。
筆者がツアーに参加したのは4月の頭でしたが、カモメたちがおり、エサをあげることが出来ました。
このカモメたち、餌をくれることを分かっているようで、出航前から船の周りでスタンバイしています(笑)
こちらが売店で購入したカモメのエサ。釣りの練りエサに近いような匂いがします。触ったら手に油分が少しつくので、スマホを触る時などはご注意を。
売店で購入したカモメの餌を持ち、オープンデッキで手の平に広げ差し出すと(片手でOK)、カモメたちが手のひらの餌めがけてやって来ます。
手のひらを差し出していると…
エサを持っていきます。飛びながら一瞬でエサを咥えていくので、お見逃しのないよう!
くちばしで軽く突っつかれるため、手のひらをピンと平らに広げるよりもお椀のように軽く丸めてエサを持つとよいでしょう。
もちろんエサは海上に投げてばらまいてあげることもできます。手からエサをあげているとカモメたちが段々と疲れてくるのか、手元ではなく水面に落ちてきたエサを狙うようになります(笑)
手からあげるのであれば出航後お早目に。
やって来るカモメは3種類。
頭が黒く夏毛に生え変わった頃、北へ旅立つそうです。
エサやりしていると突然イルカが表れることもありますので、カモメに夢中になって見逃すことのないように!
イルカ発見!見逃し厳禁
そんなこんなでしばらくしていると…
「あ!イルカ!」「イルカだイルカ!」
船の左前方の乗客から声が!
イルカが表れました!
2,3頭ずつ波の合間から顔や背中が見えたと思ったら、潜っていなくなり、少ししたらずれた場所でまた2,3頭ずつ顔を出します。
よく見ると口元が白いです
イルカが海面から姿を現す瞬間はとても短いので、乗客皆でどこに現れるか目を凝らしていました。現れる度に乗客の方々から感嘆の声が聞こえます!
体の小さなイルカも見えました。子どものイルカでしょうか。
この日ははじめ船の左側の前方で現れ、だんだんと現れる場所が後ろの方にずれていきました。
この日は船の近くで2~4頭ずつ海面から現れるのを6,7回ほど繰り返しました。
筆者は写真を撮るのに夢中で、結局オペラグラスは使いませんでした(^^;)
イルカたちを観察した後、船はゆっくりとイルカたちから遠ざかり、乗り場の方へ帰ります。イルカたちに清水港で安心して暮らしてもらうため、クルーズ船を含む港の船は皆優しい運航を心掛けているそうです。
帰港までずっとカモメは船に付いてきます。残っていたエサを一気にバラまくと、カモメたちは皆一斉に海面に寄って来ました。
停泊所が見えてきました。帰りに皆さんイルカのぬいぐるみくじを引いてらっしゃいました。
アクセス
・JR清水駅西口から路線バス「三保山手線」乗車、「波止場フェルケール博物館」下車、徒歩3分。
・JR清水駅から近隣商業施設の「エスパルスドリームプラザ」まで無料シャトルバスも出ています。下車後歩く距離が若干増えますが、清水駅からお越しになる場合、そちらを利用するのもよいと思います。
赤い色が特徴の無料シャトルバス
周辺観光スポット・オススメランチなど
クルーズ船の乗り場の近くには複合商業施設である「エスパルスドリームプラザ」があります。
様々な飲食店や食品、雑貨などのお土産屋などがあり、お子様の楽しめる遊具や、景色を一望できる観覧車もあります。
ここ清水はちびまる子ちゃんの作者さくらももこさんの出身地。エスパルスドリームプラザ3階にはちびまる子ちゃんたちの日常を再現した展示などのある、「ちびまる子ちゃんランド」があります。季節や時間帯によってはグリーティングなどのイベントもやっているため要チェックです。
1階には土産屋さんやレストラン、「清水すし横丁」があります。
「清水すし横丁」には寿司や海鮮丼を食べることのできる様々なお店が連なっています。
清水すし横丁の前にあるマグロのぬいぐるみと記念写真を。2階には寿司の文化や歴史を学ぶことのできる、「清水すしミュージアム」の「鮨学堂」があります。
ちなみに上に載っている小さい方のマグロのぬいぐるみ、さかなクンプロデュースの大洋産業貿易株式会社のぬいぐるみのようです。下の巨大な方はおそらく特注ですね。
ランチに手軽にお寿司や海鮮丼を堪能したい方にはこちらもおススメ。お昼頃、「清水すし横丁」の店の一つである「入船鮨」が、お寿司のテイクアウトメニューの販売をしています。中でも静岡ちらし(税込580円)が人気だそうです。
こちらが静岡ちらし。生しらすなど様々なネタが乗っています。
ご飯のボリュームがやや少なめなので、がっつり食べたい方には少し物足りないかもしれません。
気軽にガッツリランチやディナーを食べたい!という方に筆者がおすすめしたいのが、2階フードテラスにあるインドカレー屋さん「DELHI'S KITCHEN」。約800円ほどで、カレーにライス、またはナンが付いたセットをいただくことができます。カレーは様々な種類から選ぶことが出来ます。
この他にもラーメン屋、そば屋、チャーハン屋、マクドナルドなど、様々な飲食店がありますので、お好きなお店を見つけてみてください!
おわりに
2年前から清水港に棲みついているイルカたち。ほぼ毎日のように目撃情報が入り、日によっては日の出のりばの事務所から姿が見えたこともあるそうです。
野生の生き物を観察してみると、水族館や動物園とはまた違った生き物の姿を発見することが出来、自然をさらにもっと身近に感じることもできるのではないでしょうか。
海や海の生き物がお好きな方も、そうでない方も、清水にお越しの際は、ぜひイルカウォッチングクルーズツアーに、挑戦してみてください!(^^)
by kujitan